味噌汁は、私たちの伝統的な食文化の一部であり、健康的な食事の一環として多くの方々に親しまれています。
ですが、適量を守らずに飲み過ぎると、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
この記事では、味噌汁の飲み過ぎによるリスクや、適切な摂取量についてお伝えしますね。
味噌汁の飲み過ぎ:デメリット2つ
味噌汁は健康に良いというのは、日本人なら誰もが知っていることですよね。
だからと言って、飲みすぎてしまうと逆に悪影響になることもあります。
味噌汁を飲みするとどんなデメリットがあるのでしょうか?
2つご紹介しますね。
高血圧や脳梗塞になる可能性
一時的な影響としては、口の渇きやむくみが現れることがあります。
これは、塩分中のナトリウムが増えることで、体が水分を求めて血管から細胞間に水分が移動するためです。
長期的な影響としては、塩分を過剰に摂取すると血液中の水分量が増え、血管にかかる圧力が高まり血圧が上昇します。
この高血圧は、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な疾患の原因となります。
また、塩分の摂りすぎは胃がんや認知症のリスクも高めると報告されています。
塩分の摂取を適切に管理するためには、一日の摂取量を守ることが大切です。
厚生労働省の基準では、男性は1日に7.5g未満、女性は6.5g未満が推奨されています。
生活習慣病や心筋梗塞
味噌汁1杯(200ml)に含まれる塩分量は、味噌の種類や使用量、出汁の種類によって異なります。
減塩タイプの味噌では大さじ1杯あたり1.9グラム、通常の味噌では2.3グラム程度です。
過剰な塩分摂取は、生活習慣病のリスクを高めます。
味噌汁は日本の伝統的な料理であり、栄養価や健康効果が期待されますが、塩分の摂りすぎは高血圧や心臓病のリスクを増加させる可能性があるため、適量を守ることが大切です。
味噌汁のメリット4つ
味噌汁は適正量であれば、デメリットをはるかに上回るメリットが存在します。
さっそく味噌汁のメリットをご紹介します。
女性ホルモンを補ってくれる
味噌には女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが含まれています。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの分泌が減少したときにその役割を補ってくれます。
味噌汁を飲むことで、肌のハリや髪の艶を保ち、生理不順や更年期障害などの問題を緩和できる可能性があります。
腸内環境がよくなる
味噌には生きたまま腸に到達する乳酸菌が含まれ、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えます。
腸内環境が改善されると、免疫力や代謝が向上し、肌荒れや便秘などの予防につながります。
ダイエット効果が期待
味噌汁は低カロリーで満腹感が得られるため、ダイエットに役立ちます。
味噌汁に含まれる食物繊維やカリウムは、脂肪の燃焼や塩分の排出を助けてくれる可能性があります。
また、むくみや便秘の解消の手助けをしてくれる可能性もあります。
抗酸化作用がある
味噌にはビタミンEや大豆イソフラボンなどの抗酸化成分が豊富に含まれています。
これらは活性酸素を除去し、老化や病気の原因となる細胞の酸化を防ぐ可能性があります。
おいしい味噌汁を作るコツは?
美味しい味噌汁を作るには、ちょっとしたコツと手間が必要です。
バランス良く具材を使うこと
具材にはカリウムや食物繊維の多い野菜を使いましょう。カリウムはナトリウムの排出を促し、食物繊維は水分を吸収して満腹感を増します。
また、色合いや形、食感、味などを考慮し、旬の食材を使うことで、栄養価や風味が向上します。異なる食材を組み合わせることで、バランスの良い味噌汁を作ることができます。
味付けを工夫すること
味噌の種類や塩分濃度によって異なりますが、塩分量を控えたい場合は、味噌汁1杯(200ml)に対して味噌大さじ1/2(約18g)程度が目安です。
味噌は多種多様で、製法や産地によって味が異なります。
季節や好みに合わせて適切な種類や量を選びましょう。
複数の味噌を組み合わせると、深い味わいが楽しめます。
出汁を丁寧に取ることも重要です。
旨味成分が豊富な出汁を使うと、少量の味噌でも美味しく仕上がります。
かつお節、昆布、煮干し、しいたけなどで自家製出汁を作ると良いでしょう。
香りを変える
ごま油を少量加えると、香ばしい風味が楽しめます。
山椒の粉末や葉を入れると、爽やかな辛みが加わります。
カレー粉を少量加えると、スパイシーな味わいが楽しめます。
バターを加えると、まろやかでコクのある味わいになります。
牛乳を加えると、クリーミーで優しい味になります。
練りごまを使うと、香ばしさととろみが加わり、白味噌や赤味噌との相性が良いです。
ラー油を加えると、ピリッとした辛みがアクセントになります。
豚肉やキャベツと組み合わせると、麻婆豆腐風の味になります。
柚子胡椒を加えると、爽やかな香りと辛みが楽しめます。
鶏肉や白菜と相性が良いです。
他にも様々な風味付けが可能ですので、自分好みの味を探してみてください。
味噌汁の作り方のコツ
味噌を溶かす際には、直接鍋に入れるのではなく、別の容器で熱い出汁と一緒に溶かすとムラが防げます。
味噌を入れた後は、絶対に沸騰させないように注意しましょう。
沸騰すると風味が損なわれます。
味噌を入れる前に火を止め、しばらく冷ます時間を取ると良いです。
その後、再度火をつけて煮立ちかけたらすぐに火を止めて器に盛ります。
味噌汁の適正量は?
味噌汁をたくさん飲むと健康に悪影響を与える可能性があり、特に問題となるのは塩分の過剰摂取です。
近年、「減塩」の重要性が叫ばれています。
これは、塩分の過剰摂取が健康に悪影響を与える可能性が高いからです。
具体的にどれくらいの塩分摂取が過剰なのか見てみましょう。
世界保健機関(WHO)は、1日の推奨塩分摂取量を5グラムとしています。
アメリカでは心血管疾患予防のために1日3.8~6グラムが目安です。
日本の厚生労働省は、18歳以上の男性が1日に摂取すべき塩分量を8グラム未満、女性は7グラム未満としています。
また、日本高血圧学会減塩委員会は高血圧予防のために、1日の塩分摂取量を6グラム未満と推奨しています。
これらの基準を超えると、塩分の過剰摂取となり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
味噌汁の塩分摂取量を他の調味料と比較してみましょう。
食塩:6グラム
醤油:0.9グラム
トマトケチャップ:0.2グラム
マヨネーズ:0.1グラム
バター(有塩):0.1グラム
和風だしの素:1.3グラム
コンソメ固形1個:2.3グラム
味噌:0.8グラム(小さじ一杯)
通常、味噌汁一杯に使われる味噌の量は小さじ一杯程度ですので、味噌汁一杯に含まれる塩分量は約1グラムです。
この数字から考えると、1日3回の食事で1杯の味噌汁を飲むことは問題ありません。
1日に5杯または6杯もの味噌汁を飲まなければ、塩分の過剰摂取は心配ありません。
まとめ
味噌汁を飲みすぎた場合のメリット・デメリットについてお届けしまた。
何事も適量が大事で、どんなに素晴らしい食べ物でも、食べ過ぎはやっぱりだめですね。
適正量をしっかり守って、毎日の生活に味噌汁を取り入れてみてはいかがでしょうか。